
調査報告「新民法施行と医療現場の取り組み」
今年4月1日の新民法「共同親権導入」施行は周知のことですが、医療現場では共同親権導入についてどのような取り組みをしているか、弊会で調査した結果をご報告いたします。
この調査を担当したのは弊会「森ゼミ生」の一人です。彼は生まれて間もないお子さんと断絶状態で2年会えていません。連れ去りの被害者です。最後に彼の感想も添えます。
当事者の方、そうではない方も、子どもたちの立場で何か考えるきっかけになるといいです。
1、日本医師会
日本医師会は施行日に各都道府県医師会宛てに『民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)の施行について』を通知しています。
http://www.yamaguchi.med.or.jp/wp-content/uploads/2026/04/2026houan_9.pdf
(一般社団法人山口県医師会のHPより)
通知では、(1)離婚後の子の医療に関する同意をめぐる問題や解釈等について法務省作成のQ&Aが紹介されており、(2)共同親権制度の導入後の医療機関向け解説資料等について作成する予定とあり、と記されています。
弊会は、施行日当日に周知をしている医療現場の取り組み姿勢に身が引き締まる思いがしました。
2、国立成育医療研究センター
2026年4月1日付『保護者の皆さまへのお願い』
URL:https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/information/20260401.pdf
小児医療における親権者の同意を得る際の原則を示し、治療の侵襲度に応じた同意取得の各対応を具体的に示しています。
医療現場こそ示すことのできる具体的な対応をあらかじめこのように公開しつつ、以下のように父母間が子どもの利益のために協力することの重要性を示していることに、弊会は注目しました。
・父母の間での情報共有のお願い。
・父母の意見対立の場合は病院のルールに従い改めて治療方針の相談が必要であること。
・医師や病院スタッフが親権者に代わってもう片方の親権者に連絡を取る行為はしないこと。
父母が、医療現場に依存することなく、日頃から子どもの利益のために互いの人格を尊重し協力できるよう努力することの大切さを改めて認識しました。
父母が子どものためを真ん中に据えて、対立のその先を目指せるよう、私たち社会も父母を支えていけるよう取り組みたいものです。
3、そのほかの医療機関
・5月 横須賀共済病院『お子様の医療行為に対する同意について(共同親権の場合の事前申告のお願い)』
URL:https://ykh.kkr.or.jp/outline/joint_custody.html
・6月 聖マリアンナ医科大学病院 『お子様の診療における「医療同意」へのご協力のお願い』
URL:https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/data/media/marianna-u_hospital/page/about/index/jointcustody.pdf
・6月 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院
https://seibu.marianna-u.ac.jp/news/28175/
・7月14日開催 第62回日本周産期・新生児医学会学術集会
『シンポジウム19 民法改正に伴う父母の離婚後共同親権について』
URL:https://www.congre.co.jp/jspnm2026/program.html
上記プログラムから「シンポジウム19」をご覧ください。
最後に、冒頭の調査担当者からの感想を記します。
(調査担当者の感想)
両親の離婚で、私たちがもっとも守るべきはこどもたちです。
苦しくても親に迷惑をかけたくないという思いから自分の意見を押し込んでしまったり、「自分さえ我慢していい子にしていれば、大好きなパパやママに会える」と思って必死に我慢したりするこどもたちもいます。私自身もかつて、そうした葛藤を経験した当事者の一人です。
私が今親の立場になって感じるのは、現在の裁判の手続きは親(大人)を中心に進みがちで、また国や自治体の支援も「親へのサポート」ばかりが注目されているということです。
しかし、私がこの調査を通じて、医療の現場はこどもたちを中心に制度を整備していると感じました。医療の取り組みは、きっと社会に対して「離婚に直面したこどもたちの実情」をもっと知ってもらえる機会となるでしょう。そして、ひいては社会全体がこどもたちにとって安心して健やかに育つ環境へと変わっていくきっかけになることを私は切に願ってやみません。