
皆様伝えたいこと/『「侮辱罪」と実子誘拐被害者の表現行為』
実子誘拐被害者の皆様
幣会をご支援くださいます方
「親子が会える社会の実現」を目指す方々へ
これからお話する内容は、実子誘拐被害者の皆さんが生きるためにも絶対に必要な「現状を社会に伝える」行為言動について、侮辱罪に該当する行為にならないように「表現」に昇華していかないか?子どもたちに堂々と誇れるやり方で社会に伝え、子どもたちの未来のためになるように頑張らないか、との、私の想いをベースに書き綴るものです。
長いのでお時間のある時にでもお読みください。
『「侮辱罪」と実子誘拐被害者の表現行為』
法務省「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」が公開した第1回会議(令和7年9月12日)https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00215.html
「配布資料5 侮辱罪の事例集」を読まれましたか?
人格攻撃などない安心できる社会にすることは子どもたち次世代にも大事なことですから問題提起をいたします。要所要所で私の意見が記されていますが、皆様はどう思われるか、ぜひ一緒に考えましょう。
1、改正された侮辱罪の刑事措置の現状
「法務省の「刑事検討会」の趣旨」
刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)による法定刑引上げ後の侮辱罪の規定の施行状況について、同規定がインターネット上の誹謗中傷に適切に対処することができているかどうか、表現の自由その他の自由に対する不当な制約になっていないかどうか等の観点から外部有識者を交えて検証を行うとともに、刑事上の措置を更に講じる必要があるかどうか等について意見交換を行う。
※法務省HP「侮辱罪の施行状況に関する刑事検討会」
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00214.htmlより抜粋
令和4年に刑事での侮辱罪が改正され、侮辱罪の法定刑が「拘留又は科料」から「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げられました。上記の「刑事検討会」は、この改正に関する検討会です。
「配布資料5 侮辱罪の事例集」https://www.moj.go.jp/content/001446563.pdf
には、例えば、元夫が怠惰な性格であるかのような画像を投稿した行為に、略式命令で罰金10万円の判決が出ています。その他、誰かを特定した上で「悪徳弁護士」などと記載したビラを配布する、郵便受けに投函するなども事例に出ています。
夫婦のいざこざはヒートアップしやすいものですが、夫婦生活をなんとかうまくやろうとする際に、配偶者には直接言えない、行き場のない気持ちをSNSで吐き出す人はいるようですし、中には、実子誘拐被害のように許せない相手の行為を、公道等で拡声機を使用して街宣したり誰か不特定多数に対してビラを配り告発する人もいます。
2、実子誘拐被害者にとっての「表現行為」は、生きる上で必要です
実子誘拐被害者の皆さんは、子どもを配偶者や実家に奪われ、多くは弁護士が介入し法的強制力もないのに子どもに一切接触をしないように通知されることもあります。それでいて相手のこうした行為が犯罪と認められないのが日本の現状です。生きることをやめてしまいたい絶望の中にいる人は多いはずです。
実子誘拐被害者の皆さんにとって自分がされた不当な行為を誰かに伝えることは生きるために必要で、街宣もビラ配布などもすることが癖になっているような人ももしかしたらいるかもしれません。
SNSに限ったことになりますが、弊会は過去にSNSが”生きる叫び場”になっていることが明確になった調査をして結果をプレスリリースをしていますので、以下をご覧ください。
参照
■(弊会プレスリリース)
実子誘拐被害者アンケート調査~被害者にとって「X」は大事?~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000138153.html
(コメントより抜粋)
『ここしか共感者がいないからです。当事者しか地獄の苦しさ知らないです』
『事実を無視した嘘まみれの家裁でさらに拷問のような地獄体験をさせられます』
『法律を悪用し被害者を更に地獄に送り犯罪者扱いする家裁の在り方を世に知らしめる』
しかし、上述の「1、改正された侮辱罪の刑事措置の現状」から、発言の方法を間違うと制裁を受ける可能性があるために、気を付けなければいけません。
誰かを特定しての街宣やビラ配布は止めましょう。
ご自分の裁判で不利にもなることもあります。慎重にすべきです。子どもが悲しまないように表現行為になるよう工夫しましょう。
私がなぜこう言うのか、長くなりますが、お話しします。
3、その告発行為は、子どもにとってはどうなんだろう?
私は、昨年から離婚裁判の傍聴と記録閲覧しており、合わせて400事件ほどを見聞きしています。(仕事ぶりを見た弁護士は500人以上になります。)
その中で最近記録閲覧した地方の高裁で実子誘拐被害者さんが逆転敗訴した事件について個人を特定できないようにご紹介します。
実子誘拐被害者を「X」、相手を「Y」とします。
原審は、Yの離婚請求が棄却されました。Yは控訴し、高裁でXは逆転敗訴、Yの請求が認容されます。
この事件の特徴は、Xが配偶者Yの不貞行為についてをビラに記し公道で配布したり親戚知人に伝えるなどした点でした。原審ではYは不貞した有責配偶者だとの理由でYの請求が棄却されましたが、高裁で逆転。高裁は、Yの不貞以上にXの先の行為が夫婦関係を破綻させる要因となっていると指摘し、Yの離婚請求が認められました。
あくまでも私が感じたことでしかないのですが、高裁はそうとははっきりと言っていませんでしたが、Xの行為は子どものダメージなりえる行為だったとの判断もあったのではないかと私は思いました。裁判所は子どもの権利を認めていない冷たい公的司法機関ですから、子への配慮を明記はしません。しかし、私には、高裁が言外にそのような指摘をしているように感じ取りました。
子どもたちは思春期で親の不貞を片方の親が流布していたとしたら何らかの形でそれがわかる年齢です。公道で配布されたビラを子どもたちの友人が受け取るかもしれません、親戚知人への告発も、知った子どもたちはどのような思いをするでしょうか?
Xにしたらその告発行為は、”正義行為”で子どもたちにもその正義がリスペクトされるだろうと慎重に判断しての行為だったのかもしれませんし、この方法以外には自分が納得できなかったのかもしれません。Xにとっては、公然と告発するのが、子どもにとっても大事な行為だったとの断行だったかもしれません。
ただ、私は、判決文を記録閲覧していて非常にやるせない気持ちになりました。Xの気持ちはわかります。一方で、高裁の判断ももっともです。できれば、高裁には、高裁が子どもへの視点を大事にしたことをXに示してもらいたかったです。それであったらXの気持ちも違うのではないかと思いました。Xは、高裁に自分の行為が認められずYが親権者に指定されたこの判決をどのような思いで受け止めたのか、気になっています。
4、こういう弁護士が中にはいるという事実
さて、「実子誘拐を自称する方の大半は加害者だ」「実子誘拐という概念や言葉は不要」と断定してSNSで投稿するある弁護士がいます。実子誘拐を自称する方の大半が加害者だとわかる根拠もなく、です。事実を提示せず他者を加害者だと断定する。そして、被害者が自分の被害を自認しそこから他者に伝えるために欠かせない概念や言葉を不要だと断定する。これが弁護士の発言かと思うと信じられず、私は心を痛めてしまいます。
今をようやく生きている人がいる、このことに理解が及ばないのかと思うと本当に心がつぶれる思いになります。この弁護士はいじめやDV被害者を支援している弁護士です。その弁護士がなぜ実子誘拐被者をここまで軽んじ踏みにじるような思想を持っており発言化して流布までし、布教するかのように熱心なのか、私は理解しようとしましたが難しく伏せってしまうだけです。法務局の人権擁護の担当者にも相談したこともあります。弁護士なので自分が正しいと思い込んでいるようですので、法務局の人権擁護くらいでないとわからないと思ったからです。
相談してよかったです。この話は今は関係がないのでいつかお話できたらなと、割愛します。
5、私の本音
3の実子誘拐被害者のX、4の実子誘拐被害に対して無根拠に断定的に否定する弁護士、私は3年前にこの問題に着手して以来、この2者のそれぞれの活動を目にしてきました。 3は「共同親権推進派」で、4は「共同親権反対派」です。
率直に言います。子どもたちのために、両方の立場も言い分もわかりますが、子どもたちのために頑張りませんか?
双方の今までのやり方は、決して子どもたちのためにはなっていません。
4の弁護士のような共同親権に反対するなんて私には到底理解できないものですから、4には今は何かを言えません。共同親権は、この国のすべての子どもたちが両親が不和でも彼らが両親はもちろんですが社会からもしっかり守られ安心できるよう民法で保障する大事なことです。それを反対するとか懸念するとか、それ自体が私には理解ができませんから、4のほうには言うことはありません。
3の実子誘拐被害者の方に、告発のやり方を工夫して、「表現」へ昇華しませんか?「表現」とは、相手へのむき出しの感情をそのままぶつけることではありません。「表現」とは、誰かを傷つけないように気を付けながら、自分の生きる意欲や誰かの助けになるために言い方や伝える方法を工夫する、人間だからできる崇高な行為です。
詩、絵、歌、ダンス、小説、映画、各種イベントなどのアーティスティックなこと、小さなことでも色々できることはあります。
切実な想いを誰かを想い誰かを傷つけないよう配慮し、社会全体に伝えることってできますよね?
6、最後に
「特定非営利活動法人アートで社会問題を解決する会キミト」の名称には「アートで社会問題を解決する」としています。
人の心を動かすのは、切実な想いと誰かを想う気持ちとそして誰かを傷つけないよう配慮する、例え苦しくてもそれを頑張る姿が誰かの心を動かし、だから本当に社会がよい方へ変わる。このことを名称に込めています。
実子誘拐被害者の方へ
子どもたちのために元気にいましょう。私は皆さんがどんなに子どもたちにとって素敵なお父さんとお母さんかを知っています。だから絶対に子どもたちの未来に続く正しい道を皆さんはつくりあげることができます。
くじけず、我慢することは我慢し、子どもたちの安心のために、子どもたちが皆さんの活動や努力を誇りに生きていけるように、頑張りましょう。
来年の「新民法」施行まであとわずかですが、私も諦めずにたゆまぬ努力を積み重ね頑張ります。
令和7年9月23日
特定非営利活動法人アートで社会問題を解決する会キ